目のしくみと働き
私たちは外界のほとんどの情報を「目」から得ています。 目のしくみと働きについて知り、 大切な目を守るための第一歩にしたいと思います
目のしくみ
私たちの目は、眼球と視神経、それに眼瞼(まぶた)や涙腺のような眼球付属器から成りたっています。眼球の大きさは、生まれたばかりの赤ちゃんでは直径約17ミリほどしかありませんが、3歳で約22ミリ、そして、大人では10円玉より少し大きいくらいの約24ミリになります
眼球断面図
- 強膜(きょうまく)
- 眼球のもっとも外側にある白い丈夫な膜。俗に「白目」といわれる部分です
- 角膜(かくまく)
- 強膜の続きで眼球の正面に当る、厚さ約1ミリの透明な膜。光を屈折させるレンズの働きをします
- 虹彩(こうさい)
- 角膜を通して茶色に見える部分。中心に瞳孔があり、外から眼球に入る光の量を加減します
- 毛様体(もうようたい)
- 毛様体筋という筋肉があり、この働きによって水晶体の厚さをかえて眼底にはっきりした像を結ぶ働き(ピント合わせ)をします。
- 脈絡膜(みゃくらくまく)
- 強膜の内側にある黒い膜、瞳孔以外から、光が入らないようにする働きと眼球に栄養を与える役目があります
- 網膜(もうまく)
- 物体の像が結ばれる部分。網膜の後ろには中心窩とよばれる視力のもっともよいところがあります
- 水晶体(すいしょうたい)
- 両凸レンズの形をしていて、焦点を調節しそ像を網膜に結ばせる働きをします
- 硝子体(しょうしたい)
- 眼球の大部分を占める透明なゼリー状のもの。眼球の形と弾性を維持しています
目の屈折異常について
近視とは
目の調整を休めたときに、遠方からの光源が網膜の手前で像を結んでしまう状態をいいます。それには、眼軸が長いためにおこる「軸性近視」と、角膜や水晶体の屈折力が強すぎるためにおこる「屈折性近視」があります。図のように凹レンズで網膜上に像を結ばせることで矯正します
- 屈折性近視
- 軸性近視
- 凹レンズによる矯正
遠視とは
目の調整を休めたときに、遠方からの光源が網膜の後ろで像を結んでしまう状態をいいます。それには、眼軸が短いためにおこる「軸性遠視」と角膜や水晶体の屈折力が弱すぎるためにおこる「屈折性遠視」があります。図のように凸レンズで網膜上に像を結ばせることで矯正します
- 屈折性遠視
- 軸性遠視
- 凸レンズによる矯正
乱視とは
主に角膜や水晶体の湾曲が正しい球面になっていないためにおこるものです。このため外から入ってくる光の方向によって、目の中で焦点の結ぶ位置が違ってきます。乱視の矯正には、方向によって曲率の異なる面を持つ円柱レンズを使います
- 乱視
像が結ばれる位置がずれる - 円柱レンズによる矯正
目はカメラにそっくり
目のしくみと働きは、カメラによく似ています。角膜は光を屈折させるレンズ前の前玉、光彩は光の量を調節するしぼり、水晶体は焦点をフィルムに合わせるレンズの後玉、そして網膜は被写体をうつすフィルムと同じ働きをしています。そして図を見てもわかるように、フィルム上にうつる像も網膜にうつる像も上下左右が逆さまになっています。フィルムの場合は反転させる事により正しい方向にしますが、目の場合は脳が逆さまになった像を正常とみなすように慣らされているので、正しい方向で見えるように感じます
目
カメラ
目は両目でひとつを見ています
人間は2つの目をもっていますが、わたしたちは普段目が2つあることを意識しないで、まるで1つの目で見ているように感じています。これは、それぞれの目で受けた映像を脳でまとめて1つの新しい映像としているからです。この働きのことを両眼視といいます。この両眼視という働きののおかげで、わたしたちは、物体を立体的に見たり、奥行きや遠近感を感じることができるのです。両眼視がうまく行われるためには、両目ともに視力に問題がなく、視線にズレがないことが大切です